近代日本金鉱山史
日本には金はまだあるのでしょうか?
日本は金を掘り尽くしてしまったのでしょうか? 日本は何故、金鉱山(事業)が衰退したのでしょうか?
近代日本で金鉱山が衰退したのは、金鉱脈が枯渇したからではありません。金鉱山衰退の直接的要因は、第2次世界大戦中の1943年(昭和18年)に発令された金鉱山整備令にあります。この戦時国策により数百もの金鉱山が一瞬にして全て休廃止され、金鉱山事業は壊滅的なダメージを受けました。近代日本に於ける金鉱山の衰退は国策によるもので、金を掘り尽くしてしまったからでも、金が無くなったからでもありません。
近代日本における金鉱山政策史
国際金価格推移表
赤線:ロンドン市場価格
青線:ニューヨーク市場価格
225年間(1791年~2016年)
1トロイオンスあたりの米ドル(US/tr)
日本の金鉱山は、1943年(昭和18年)の金鉱山整備令と6敗戦に続く
非国策事業化により、ニクソンショック以降の金価格上昇局面までに復 活する事なく現在に至っています。
英国/金本位制確立
イギリスで通貨価値を純金で 保証する金本位制が確立。
米国/銀本位制停止
アメリカ連邦の銀本位制停 止、銀とドルの交換停止。混 乱に伴い、実質駅な金本位 制へ移行。
世界恐慌
復活した金本位制が機 能しなくなる程の世界大 恐慌が発生、全ての国が 金本位制を放棄。
金本位制廃止
ソ連軍アフガン侵攻 イランイラク戦争 国際情報不安定。
ニクソンショック
米ドル発行額が金地金量を上回った 事で紙幣と純金の交換を停止。
サブプライムローン危機
リーマンショック 米国バブル崩壊 サブプライムローン問題が発覚、株価 大暴落。資金は高利回り金融証券市場 から、金市場へ移行。
不安定化する国際情勢
・英国EU離脱 ・保護主義の台頭 ・イスラム国問題
江
戸
明
治
大
正
昭
和
流通貨幣:金/銀/銅
第1次世界大戦
第2次世界大戦
大日本帝国、金鉱山整備令(1943年)
太平洋戦争(対英米開戦)に伴い、欧米からの輸入による軍需資材が途絶えると、海外支払い用としての金(ゴールド)の意義が薄れ、戦争に直接的に必要な鉱物資源(銅・鉄・石炭・鉛・亜鉛・マンガン等)の自給自足体制を確立する必要が急務となり全ての金鉱山は原則として休・閉山となりました。
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